リゾートバイトに行ったお話

特に楽しいことがあるわけでもなく、毎日毎日仕事ばかりで疲れ果て、まぁ、それほど大した仕事をしているわけではないけど・・・どこか適当な所に行ってみたいなぁ、と思った。

「気分転換に別の事をしたい」「住み込みバイトをしてみたい」とは、以前から考えていたので、今年は思い切って実行してみることにした。

 

お仕事の条件

・職種:リゾートバイト(旅館 or 牧場 or 農家)
・場所:日本
・給料:指定なし
・期間:年末年始の10日間

 

この条件でリゾートバイトの斡旋サイトを適当に検索し、検索結果を上から順に電話。ひとつめに断られ。ふたつめに断られ。みっつめに電話した所で「来てくれ」との事だった。電話のみで、履歴書の送付もなく、面接もなく。リゾートバイトってみんなこんな感じで決まっちゃうの?

とりあえず、そこで初めて詳細を見ると、お仕事内容は旅館で、場所はウィンタースポーツのメッカである長野県白馬村だった。・・・長野??・・・どうやって行くんだろう。

調べたら、どうやらうちから一番近いターミナル駅まで移動し、そこから高速バスで6時間で行けるらしい。うーん、6時間・・・まぁ多分大丈夫だろうと軽く考え、早速準備を始めることにする。

 

全体的なスケジュールはこんな感じ。↓ 出発日12/29の夕方にバスに乗り、その日の深夜到着予定なので有休にした。

ところで、今改めて日程を見直したら、3週間ぶっ続けで仕事してるやん・・・。たくさん仕事してすごいという訳ではなく、帰ってきた瞬間にこれまでにないほど重い風邪を引いてしまって、ぶっ倒れてしまった。疲れてたんだなぁ。

 

12/29(金)

なんだかんだで、ギリギリになって荷物をまとめた。キャリーケースに着替えを詰めて、リュックを背負う。40才過ぎのくせに雪国は初めてなので、ちゃんとスノーシューズを買った。空いた時間に久しぶりにスキーと、初スノボもできたらいいね。それと、激安5000円の中国製のアクションカメラも持っていくので動画も撮りたいと思う。

夕方、バスセンターに向かう。やはり年末だけあって、ロビーは激混みだった。みんな一体どこに行くんだ?ハワイか?ドバイか?うらやましい!

長野行きの高速バスに乗車し、終点の「白馬八方」まで行きます。到着は深夜の24時半の予定。

・・・撮った写真って、どうやって載せれば見やすいんだろうなぁ。 普段は横撮りなんだけど、今回は縦向きの写真がメインです。

途中休憩は2回。夜のサービスエリアって、異世界感があっていいよね。

高速バスも色々乗ったことはあるんだけど、今回乗ったのは普通のバスなので狭くて足も伸ばせず、満席でギュウギュウ、カーテンもなく大変でした。そして深夜の白馬八方に到着。うーん、疲れた。

バスから降りたら、それはそれはもう、大変に深く雪が積もっていた。ここまでの積雪量を見たのは生まれて初めてだ。ずぶりと雪にめりこむキャリーケースを引きずって、旅館まで移動。これから仕事だってぇのにワクワクしてきて笑ってしまった。深夜にも関わらず、到着するとスタッフの方が待機していてくれて、愚かなバイトどもが寝泊まりする屋根裏部屋に案内され、そのまま寝る。布団はでかく、毛布が2枚。

 

12/30(土)

オラアッ!朝6時に起きて、さっそく仕事だ!!がんばるぞ!旅館での毎日のお仕事の流れは大体こんな感じだ。

◆午前 06:00~11:00(5時間)朝食の準備と片付け
◆休憩 11:00~16:00(5時間)自由時間
◆午後 16:00~21:00(5時間)夕食の準備と片付け

 

タダで泊まれて2食付き、温泉旅館だから温泉入り放題空いた時間にスキーもできちゃうんです。こんな夢みたいな仕事あるんですよ。もちろん、給料ももらえるぞ!リゾートバイト、素晴らしい・・・!

朝ごはんをいただきます!食べたもの一覧は最後にまとめておこう。

ひとつのお皿におかずを全部放り込んでいるだけで、ちゃんとお客さんに出しているものと同じメニューをいただいております。おいしいです!おかわりしまくりです。

外に出ると見事な快晴だった。10日間も滞在して初日が最も天気の良い一日だった。歩いてすぐの白馬八方尾根スキー場まで行く。出発前はスノーシューズを買うか長靴で行くか迷ったけど、本当にスノーシューズで良かった。40才のくせに、足跡がつくのが楽しくていっぱい歩いた。

驚いたのが、雪が積もってるのにすごく暖かったこと。日差しが反射して、そう感じるのか。湿度の問題か。頭がハッピーでマヒしてるだけなのか。

記念すべき初日は、リフトで上の方まで写真を撮りに行くことにする。リフト待ち列に並んでいたら、スキー装備をしていないのは自分だけだったので場違い感が凄まじかった。スノボは明日やるから・・・!

うっそだろ・・・マジかよ・・・というくらい景色が良かった。こんなん、ポストカードやん・・・。1枚200円で売ってるやつだわ。

ふもとからゴンドラで一気に来られる、うさぎ平という場所で撮影。標高1400m。さらにリフトで第1ケルンという標高1820mの所まで上がった。前日にやや雪がふったらしく全方向真っ白で、さらに天気も良く、遠くまではっきり見えた。本当に来て良かった。心を入れ替えて、明日からはマジメに生きよう・・・!

ちょうどお昼なので、うさぎ平テラスというフードコート的な広いお店に入ったが、人がギッシリのミチミチで、まったく席が空く様子がなかった。客のほとんどは家族連れで、独り身のさみしい自分には席の確保は不可能だと判断し、下山する。

後から知ったけど、長野は今オーストラリア人とカナダ人でいっぱいらしい。確かに白馬村で見かけた人の半分以上は外国人だった。

ふもとのレストランで豚丼を食べる。脂べちょべちょのギットギトでおいしかった。しかしもう食べたくない。歳のせいかきついかもしれない。

ゴンドラで降りる時に撮影。今降りている背中側の山脈と、奥に見える山脈に囲まれた、細長いエリアが白馬村。

スキー場や周辺をウロウロして、大体の場所を把握。10日間もいるので、スキーとスノボをやって、たくさん歩いて、たくさん温泉に入って、色々食べようと思いました。

 

12/31(日)

そして2日目。 早速、スノボ一式と、ウェアをレンタルし、ゲレンデへ。立派な装備品のおかげで、「スノボができそうな人」に見えるぞ。やったね!

事前にYouTubeで「正しいスノボのこけかた」を見ておいたので、こける練習をする。そして滑り出してみるが・・・難しい!!これでもか!ええい、これでもか!というくらい転んで転んで、手首も尻も肩も大ダメージを負ってしまった。

スノボ、めちゃくちゃ難しかった・・・ゲームキューブでスノボゲーム「SSX」をかなりやりこんだはずのに。授業にも出ず、徹夜であんなにプレイしたのに。何たる仕打ちだ。

この日は体中に紫色のアザを作って泣きながら帰る。初スノボがラストスノボになったと思う。明日はスキーをしよう。結局このときのアザは2週間消えなかった。

夜になり、年越しカウントダウンの花火が上がるというので、再度ゲレンデに行く。 いやはや、これまた見に行って良かった。甘酒やホットカルピスが配られ、ショーがあり、そして花火が10発くらい上がった。暗いのに、結構ギリギリまで滑っている人もいた。

花火の後、徒歩3分ほどの所にある細野諏訪神社に行き、初詣。 そのまま流れるように旅館に帰り、寝る。明日も早い。


1/1(月)

あけましておめでとうございます。朝の仕事を終え、今度はスキー用品をレンタルしてゲレンデに向かう。

20年ぶりのスキーなので、平たい所で少しだけ練習して滑り始める。スノボよりは少しマシにいけました。中級者向けコースだったので、ちょっと急勾配が怖かったねぇ。

アクションカメラにハーネスをつけ、胸のあたりで固定。動画を撮る。この視点だとFPS感あるね。とは言え、ほとんど足元しか写っていなかった。

元旦から一人でスキーなんて・・・はぁ・・・めっちゃ楽しかった・・・


1/2(火)

この日からは色々な所へ行った。

まずは、長野のソウルフードと言われる「おやき」を食べに行こう。 この度のリゾートバイト中、おやきは見かけるたびに買う事が義務付けられていたので、6回食べました。

中でも、この「おやきの山愛(やまあい)」のおやきが一番美味しかった気がする。おやきはお土産屋、スーパー等、色々な所で見かけるけど、基本的に電子レンジで温められているものが多くて、それでももちろん美味しいんだけど、このお店は藁焼き?のような焼き加減で、香ばしい匂いがすごく良かった

だが、あえてダメな所を挙げると、お店のwebサイトがダサイ・・・!これはダメ・・・ッ!見づらすぎる・・・! あと、仕方ないけどお店が駅から遠い・・・この辺りは車での移動が基本だからなんだけど、雪の中、徒歩30分はきつかった!

通販もやってるみたいだけど、この風味はお店でしか味わえないね。と、知ったかぶりな口調でここに言い残す。
→ おやきの山愛(やまあい)(https://yamaai.sakura.ne.jp/

 

さて、駅周辺の温泉に入ろう!ハードスケジュールだが、行けるだけ行こう!

時間だけはあるので、数日にわけて、八方の湯、郷の湯、みみずくの湯、天神の湯、倉下の湯、岩岳の湯と、 足湯の、和の湯、薬師の湯、白馬駅前の湯に行く。日本人として、やはり雪国の温泉には憧れるものがある。

ちょっと離れている場所もあって、すべて回るのに計10時間は歩いたでしょう。で、写真左上の足湯、薬師の湯だけは冬はやってないみたいだけど、念の為、足だけ入れてきた。足湯はどこもタダだったね。

各地でおやきも買って食べる。

天神の湯の景色は本当に素晴らしかった。駅から離れている上に上り坂の先の高台にあるので、普通は歩いていく場所じゃなかったんだけど・・・行った価値はあった。 写真は撮れないんで、↑この画像は別のサイトから拾ってきた。

正面の山肌が白馬八方尾根スキー場のゲレンデだから、この湯に浸かりながらスキーヤーが滑っていくのが見える。 この日は晴れで、空気が澄んでいてよく見えた。もちろん、露天風呂で裸なのでめっちゃ寒いが。

お仕事について

さて、思い出したかのようにお仕事についての話ですが・・・、朝と夕方に、お客さんの食事の用意をします。(↑の写真はフリー画像のものですが、こんな感じの旅館でした)テーブルを拭いて、お皿を並べて、簡単な盛り付けを手伝ったりしました。普段は仕事でマウスとキーボードしか触らず体がなまっていたので、重いお皿や食事を運ぶのはなかなか大変だった。

しかし、旅館のご主人とそのご家族が良い人々で、大変働きやすかったです・・・。事前にネットで読んだ、こことは違う旅館でのバイトの体験談だと、「文句ばかり言われて我慢できず、バックレた」とか「畑仕事を手伝わされ、かぼちゃが死ぬほど重かった」とか色々あったので戦々恐々としていたんですが、どうやら良い職場に恵まれ、自分は運が良かったようです。

ここが屋根裏部屋で、我々の寝床ですね。天井が低く真っ直ぐ立てないですが、ぶあつい布団があるので快適に過ごせた。でもまぁ、寒いっちゃあ寒い。

ここでは一緒にバイトに来ている人たちと寝る前に顔を合わせます。冬休み中の大学生や自分のように非日常を味わいたい会社員など、入れ代わり立ち代わり計6名の方々と身の上を話し合ったり、夢を語り合ったり、まぁ、色々しました。自分はもう、全員の名前をすっかり忘れたので今後二度と会わないですが、そもそもここに来なければ一生会わなかったわけで、確かに良い出会いだったなと、しみじみしました。他の人は勤務は2日だけ、5日だけ、とかで来ていて、自分のように10連勤もする可哀想な変わり者はいなかったよ?

 

1/5(金)

白馬村から電車で1時間半ほどの所の、新潟県の糸魚川へ日本海を見に行く。2時間に1本しか電車が来ないので、夕方の仕事の時間に間に合うよう、乗り換え時間を事前に調べて計画的に出発。しかも、急行→2時間後に各駅停車→2時間後に急行、とかいうダイヤなので、1本逃すと実質4時間待ちとかになる。

これが日本海・・・!自分は太平洋側に住んでいるので、日本海を見たのはこれが初めてかもしれない。さらにこの先に海水浴場があるらしいけど、徒歩で20分行ってもまだ到達できなかったので引き返す。

本当にいい天気で、雨も雪もふらず、どこに行っても景色が良かった・・・こんなんポストカードやん・・・。

帰りの電車がややギリギリだったので、かなり走った。この10日間、かなり歩いた。よく体力がもったなぁ。

長野オリンピックのスキージャンプに利用された白馬ジャンプ競技場を見に行く。白馬村のどこからでも見えるくらい大きな施設で、まぁ特別に見に行くまでもないかなと思っていたが、行ってみたらなかなかどうして、大変楽しめた。

ジャンプ台の頂上まで見学に行けるんだけど、渡り廊下の作りが雑すぎて、めちゃくちゃ怖かった。「高い所?大好き!」と普段から豪語している自分だけど、上るための階段が「え、こんなに適当なの??」というくらいスカスカで、久しぶりに背筋が凍る思いをした。

この施設も歩いていったけど、遠かった・・・歩いていく場所じゃないようだ。

これまた名物らしい、おひょっくり定食をいただく。地元産の野菜と豚肉、鶏肉でつくるダシを信州味噌で仕立てた鍋料理。1300円で、おやきも付いてくるよ!ありがてぇ、ありがてぇ・・・!

白馬駅からしばらく歩いた所にある、大出の吊り橋を見に行く。少し山に向かって歩くと川が流れていて、吊り橋が見えてきた。

辺りは人気がまったくなく、雪がどっさりこっさり積もっていた。吊り橋周辺は腰近くまで雪にめり込みながら進むはめになった。雪に関しては素人なので、雪の下が道路なのか溝なのか全く判別がつかないので、注意されたい。

 

1/8(月)

最終日、帰る間際に山小屋風の洋食屋「グリンデル」でお昼を食べる。自家製ベーコンステーキ定食、1150円。なかなかボリューミーで好みの味です。大満足。しかし、見たまんま「ぶ厚いベーコン」なので、あごが疲れた!

地方あるあるの、怪しい建物と廃墟もいっぱいあったよ!

そして10日間のリゾートバイトを終え、帰ってきました。おみやげも買ってきました。写真右端の、かんてんぱぱのカップゼリー超うまい。もっと買うべきだった。

いやぁ、大変良い経験になりました。もっと若い間にリゾートバイトやっておいてもよかったね。しかし、今回は仕事の内容も、仕事先の人間関係も恵まれていたので問題なかったけど、無理して体壊したり嫌な人に出会っていたらやりきれないね。

スノボで何度も転んだがアザで済んだ事も幸運だった。受け身もとれず脱臼や骨折してもおかしくないような転び方をして本当にヒヤリとした。年齢的にあんな無茶したらダメだね。さらに寒さや湿度、水場の作業もあったせいか、指先がガサガサになって、体中のアザと同じく完治するのにこれまた2週間かかった。

きついこともありましたが、楽しんでお仕事できました。それほど重労働でもなかったけど、休みの日がなく、休憩時間にスキーをしたり長距離歩いて過ごしたりしたので、かつてないほど疲れはしたものの、体力はそれほど衰えていなかったので何とか乗り切れた感じ。機会があればまた行きたいね!

ごはんのまとめ

そんなにお腹すいていたのかい?

ご飯はおしまいです。

それでこの立山黒部アルペンガールなんだけど、かわいいよね!

以上です。

 

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